エピソード26『意識しない、を意識しないで無の心』
先日、人生初の『3 in the black』を記録しました。
今まで3年近くのダーツ(ライブ)歴がありますが、まったく初めてのアワードです。
今まで、インブル2本はあるけど、3本はなかった。
それはなぜか。
『意識』してしまうからです。
2本目が刺さった時点で『やばい! ブラックでちゃう、どーしよどーしよ』なんて考えようもんなら、3本目は、宇宙戦艦ヤマトばりにイスカンダルの彼方へ。
逆に『ブラックなんぞ知るけえ! 出ようが出まいが関係ないんじゃ!』と思ったところで、やはりこれもマイナス方向へ『意識』していることになり、3本目は当然あらぬ方角へすっ飛んでいく。
というわけで、『3 in the black』を出すために必要なのは、余計なことを考えない『無』の心なんじゃないかと思った次第であります。
『無』の心……そう、あれは私がまだ純粋無垢な少年だった頃。
人の心のうちを読み、何を考えているのかまるわかり、という妖怪の話を聞き知りました。
「おまえ、今××って考えたな?」
「え!? な、なぜそんなことが……?」
この妖怪に出会ったら、何も考えないこと、すなわち『無』になることが必要である、と。
こ、恐い。
日頃夢想しているあんなことやこんなことが、白日の下に晒されてしまう。
この妖怪に出会ったら『無』にならなければ。
『無になるのだ、俺は。無だ無、ムムー……』なんて一生懸命『無になる』ことを練習していた、私。
ところが、ある時、ハッと気付いたのです。
『無になる』と考えた時点で、『無』ではないじゃないか、と。
以降、妖怪対策として、アホみたいに、ほけーっと無心で呆けることを心がけました。
やがて、阿呆面引っさげ生活するうち、ついに『無』の心を体得した私は、学校での授業中や両親の夫婦喧嘩の最中、または失恋した時など、肝心の妖怪にではなく、嫌なことやつらいことに出会った時、『無』の心を使うようになったのです。
そういう幼少期の影響で、今でも時折、仕事中にほけーっとしてるとかしてないとか……。
まあ、職務怠慢につながる話はさておき。
実は、今回の『3 in the black』も、そういう『無』の心を使っちゃっていたのですよ。
知らず知らずのうちに!
フォームが悪いとか、レーティングあげなきゃとか。
余計なことを考えずに、ほけーっとダーツを投げる。
たまにはそういうのも、いいんじゃないでしょうか。
ごく、たまには……。
あ、それと、懸命な読者諸氏はお気付きかと思いますが……。
私、連載開始当初よりもレーティングが低くなっております。
きっと、アホなことばかり考えているせいです。
To be continued...
本日の腕前:Rt.5.55 ↓(DARTS LIVE)CCフライト
本日の一言:「ゴールが遠ざかっていく……」