エピソード61『ダーツ小咄、小鉄の呼吸』

えー、渋谷はバットダーツの常連客に『小鉄くん』という輩がおりまして。
かなりの高確率で店へ現れては、とにかくよく投げる。


そのせいか腕前はかなりのものなのですが、スキンヘッドに巨漢、なんせその風貌が恐ろしいものだから、他のお客さんも「ちょいと教えてくれや」なんてなかなか気軽に声をかけづらいわけです。


この小鉄くんと親しげに話すバットダーツの店員に、『かな吉(it's me)』っつうこれがまたいつも暇そうにしているスットコドッコイがおりまして。


ある日、このかな吉。
小鉄くんがポカンと口をあけて投げていることに気が付いた。


はて、どうしたものか、と。


かな吉「おい小鉄くん、クチ、あいてるよ」

小鉄「あ? あいてるんじゃない、あけてんだよ」

かな吉「おう、そうかい、そりゃすまねえな」


馬鹿な会話だが、かな吉のこと、馬鹿だから仕方ない。

かな吉、それ以上深くは訊かず、おっかしいな、なんで口あけてんだろうな、と思った。


普段は強面でぶいぶい言わしてる小鉄くんが、くまのぷーさん的なお間抜けキャラクターに見えてしょうがない。
かわいらしくて、ついついエサあげたくなっちゃう。


いやしかし、ちょいと待てよ。
小鉄くんはそれなりにうまいプレーヤーなのだから、何か秘密が隠されているに違いない。
きっと、わざと口をあけて投げているのだ。


アホのかな吉はそう考えた。


うーん、それにしたって、日本のトッププレーヤーで口をあけて投げている人なんか見たことがない。
ポカンと口あけてるよりは、閉じて投げたほうが断然カッコイイし。
聞けば、どうやらPDCでも、口をあけて投げてるプレーヤーは数えるほどしかいないらしい。


口をあけて投げる利点は何か。


ダーツは、余計な力を抜くことがヨシとされている。
もしかして、口元が緩いとリラックスしやすいのかも。
歯を食いしばると、余計な力が入りやすい。
口をあけ、息を抜きながら、リラックスして投げる。


それだ。
それに違いない。


だったら小鉄くんの真似して口あけて投げれば、Aフラなんてすぐじゃん。
伸び悩む人への朗報、大発見じゃん、ダーツ革命じゃん。


かな吉「わかったよ小鉄くん、ズバリそういう理由で口あけてんだろ?」


小鉄「うるせーな、鼻がつまってんだよ」


お後がよろしいようで。


To be continued...


本日の腕前:Rt.8.14 ↑ (DARTS LIVE)BBフライト
本日の一言:「小鉄の小鉄は山本小鉄の小鉄」
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