エピソード89『苦節6年目の光』
「練習すれば、誰でもAフラになれる」と上手い人たちは言う。
その言葉を信じていたけれど、なかなか上達せず「だめだこりゃ」と半ばあきらめた。
やっぱ、ものを投げることって、その人が生まれ持ったなにかの才能、たとえば運動神経であったり、が備わってないとうまくいかないもんなんだ。
そのうち「始めて三カ月でAフラになりました」って若者もバンバン出てくる。
てやんでい、才能のない自分のような平民は、美味い酒を呑みつ、おふざけ罰ゲームつきのダーツを投げつ、DVDやyou tubeでダーツの試合を観て、やっぱプロってすげーな、と時間をつぶすしかないんだ。
いつしか「ダーツはツールとして楽しめばいいんじゃん」と割り切ることにしていた。
だって、上達すること、それ以外にも楽しいことはあるから。
仕事の合間にダーツ、デートでダーツ、失恋してもダーツ、旅先でダーツ、トーナメントでダーツ、泥酔してダーツ、ダーツを知らない人とダーツ。
そうやって6年ダーツを続けた。
Aフラになった。
本気で練習していたのは最初の頃だけで、あとは遊びながら。
そんなにガチで練習してなくても、長く続ければ、Aフラになれるのかもしれない。
ただ、Aフラはあくまでも通過点。
次の目標はとりあえずPDCのトーナメントに出場して、ナインダーツ。
嘘。
カウントアップで1000点出そう。
そうやってきっとこれからもダーツを続けるのだ。
The End...
本日の腕前:Rt.10.01 ↑(DARTS LIVE)Aフライト
本日の一言:「さあ、セールしましょう」