エピソード34『グリップはじめて物語・後編』
すっぽっこーん!
さあ、前回までのあらすじだよ。
更なる飛躍へ向け、新たなグリップに挑戦するかなっぷであったが、その結果、投げたダーツはあらぬ方角へと飛躍してしまったのだった。
な、なんでっ!?
愕然としながらも、その後、しこたま投げてみた。
だが、どうしてもスッポ抜けが多い。
勿論、新しいグリップに慣れていないという理由もあるけれど。
なんでだろう、ううむ。
考え悩むこと、ものの数分。
どうやら、使っていたバレル Bull's Star STELLAの前方のツルツルの部分が滑るっぽいのだ。
指が直接フィットする部分なだけに、ツルンといきやすい。
そこで何か違うバレルを、と思い立ったワタクシ。
たまたまそばにあったHarrows ASSASSIN tungsten97%を手に取り、ペンホルダーで握ってみた。
「ぬおっ!?」
みごとなくらいに気持ちいい、なんだこの感覚。
すっぽり、しっぽり、いや、ずっぽり、ぺったんぴったん。
通常のタングステン80%な ASSASSIN も試してみたが、まるでダメなのである。
タングステン97%のスペシャルエディションでないと。
俺の手ってば、なんたる高級指向。
こりゃしばらくはスペシャルASSASSIN 使うっきゃねーな、なんて思ってた矢先。
「あ、かなっぷ君、ちょっとこっちへ来てくれたまえ」
ロン毛のお兄さん(スタッフ)に呼ばれて行ってみると、なんと、Bull's Starさんから新作バレルのサンプルが届いた、というではないか。
人気メーカーの新作バレル。
試しに握ってみると、ASSASSINと同様、すっぽりと手にフィットした。
試しに投げてみると、ブルは外れたが、矢の速度が1.2倍増し、になったような気がする。
うん、悪くない。
そうか。
このバレルを使いこなそう。
このバレルとともに、俺は成長するのだ。
成長して、Bull's Starさんにスポンサードしてもらうのだ。
「これ、俺使います。テストプレイヤーになります!」
こうしてレーティング6の男は、Bull's Starさんの協力のもと、NEWグリップ&NEWバレルを携えたテストプレイヤーとして、新たな第一歩を踏み出したのである。
逆に言えば、これでレーティングが下がったら、怒られてしまうのである。
レーティングが下がった場合、新作バレルのせいじゃないよ、ということだけは声を大にして言いたい、今日この頃です。
To be continued...